カテゴリ:木のちょっといい話 日付:2011年01月17日
下らない話
下らない話
江戸時代に、大和の国の杉の樽に酒を詰めて、東海道を江戸に下った。
酒は、杉の樽に詰められ馬の背に結わえられてタップ・タップとゆられ
箱根の峠を下り江戸に着くころには、杉の香り程よく沁みて円やかな何とも言
えない味の特別貴重なお酒となったのである。
江戸の人々は地酒を人様に贈る時、これは下らない物ですがどうぞお召し上
り下さいと、上方から下ったものとの違いを態々断わって差し上げた。
そこから、人にものを送る時へりくだって、下らない物ですがどうぞお召し
上がり下さいと言うようになったと云われている。 これは下らない話でした。
江戸時代には、お酒を運ぶ入れ物は杉の樽か徳利ぐらいしか無く、酒を遠く
へ運ぶにはもっぱら杉の樽を使った、杉の樽は後に一升瓶に変り吉野杉の樽材
としての消費が減った。